タマちゃんのお菓子な日常

お菓子・おかしい話を中心に現代の問題点を掘り下げて行きたいですが、無理でしょうか?

食物に関する疑似科学(3)

 凝り性の私です。続いて同じテーマを行きま~す。今日は酵素というものを考えてみましょう。私は元来、化学は苦手でして生化学ともなるとあんまり自身がないもので、分かってる範囲で書きますが、間違っていたらごめんしてね。

 さて、「○○酵素を使った製品××」などがよく宣伝されています。「だから何だというのだ。ダイエット?効くわけないだろう。」と私は思ってしまいますが、妻が言うにはどうも世の常識と違うようです。

 では、酵素ってどんな働きをするかと言えば、体内のほとんどの活動の触媒をしています。触媒は化学反応を起こりやすくするだけで、栄養ではありません。では、酵素の実体は何でしょう?酵素はたんぱく質の一種(リボ核酸だけはタンパク質ではありません)です。そして特定の物質にのみ反応します。

 酵素はどこで作られるか知っていますか?酵素は生体の細胞内で作られます。細胞内で作るときに生体のDNAのコピーを作ります。酵素はたんぱく質ですからアミノ酸の連結です。DNAの情報で必要なアミノ酸と連結法が決まりますので、自分の体内で作ったもの以外は排除されます。酵素を経口摂取した場合は消化・吸収されます。多くの酵素は胃液では反応しませんが、タンパク質分解酵素によって消化され、腸で吸収されます。この消化・吸収反応によって体内に取り込まれたものは酵素に再生しません。

 簡単に言えば、自分の体内で作った酵素以外は効果がないということです。酵素で効果があるとすれば、食物の他の栄養素の影響か、プラシーボ反応です。体外から摂取する酵素は効果がありませんが、酵素以外にも体にいい栄養素がたくさんありますので、偏食せずに食べるようにしましょう。

食物に関する疑似科学(2)

 (1)に続いて(2)に行きます。

 最初は、「サプリメント」から行きますが、それに先立ってプラシーボ効果を覚えましょう。プラシーボ効果とは、効果のない薬を処方しても、薬だと信じ込む事によって自覚症状だけでなく身体的にも改善がみられる事を言います。実際にプラシーボ効果を期待して投薬していた時期もあるようですが、現在はあまり行われていません。逆に偽薬によって副作用が起こることをノセボ効果といいます。


 さて、医薬品とサプリメントの境界はどこにあるのでしょう。サプリメントを愛用している人でも結構知らないことです。医薬品=国が認めた薬、サプリメント=国が認めていない薬、ぐらいの認識の人が多いのではないですか?

 実は医薬品とサプリメントの境界はありません。医薬品とサプリメントの間には、医薬部外品と健康補助食品があり、隣接するものではありません。この内、医薬品が一番服用の条件が厳しく、健康補助食品が素人が服用してもある程度の効果があると認められたものです。つまり、医薬品と医薬部外品は国(厚生労働省)の認可が必要です。健康補助食品は厚生労働省の指導よる基準で公益財団法人 日本健康・栄養食品協会が認定しています。サプリメントについては効果よりも弊害の方が多く研究されており、不足している栄養素の補助以外には使う必要はないとされています。サプリメントの取りすぎによる過剰症には次のようなものがあります(効果がある場合は欠乏症以外はプラシーボ効果である可能性が高い)。ひどい症状だけ書きます。

ビタミンA:奇形児の発生、肝機能障害、脱毛、脳圧亢進、睡眠障害、発疹など

ビタミンB6:末梢神経障害

ビタミンB9(M):葉酸。呼吸障害

ビタミンD:高カルシウム血症

ビタミンE:骨粗鬆症

ミネラル類:物によっては毒性があり中毒症状を起こす

アミノ酸・タンバク質:消化・吸収され、最後に糖・酸素・水素となる

リノール酸:必須脂肪酸:過敏症、アレルギー

EPA・DHA:出血傾向

 水溶性の物質は過剰摂取しても、水に溶けて尿として排出されやすく過剰症は起こりにくいのが普通です。

 通常の食生活で十分に足りるものが多く、無理なダイエットでもしない限りは不足することはほとんどありません。とはいえ、サプリメントは使用量を間違わなければ身体に悪影響を及ぼすことはありません。

食物に関する疑似科学(1)

 疑似とは偽物の意味です。従って、疑似科学とは、うわべだけは科学的に見えるが実際にはそうではないもので、誤認から詐欺まがいのものまであります。特に食品については疑似科学が横行しており、効果のないものあるいは効果の少ないものを過大に宣伝している例が見られます。(このあたり疑似科学の定義については諸説あります)

 疑似科学として食品以外で有名なものは、血液型性格診断、パワーストーン・ゲーム脳・多くの心霊現象がこれに当たります(と言いながら妖怪や幽霊の記事を書いている私です)。

 とはいえ、疑似科学は科学周縁にあるものも多く、次の点をクリアすれば科学の範疇に入るものです。

1.証明が理論的であるか?検査結果や公理より矛盾せずに導き出しているか。類推がはいっていないか。

2.普遍的な理論であるか。簡単に言えば誰でも同じ実験をすれば同じ結果が得られるか。

3.体系的な科学の基礎理論と矛盾していないか。ただし、科学の基礎理論は一つではない(ニュートン力学・相対性理論・量子論など)。

4.過去に否定された理論ではないか

5.社会的に利用可能であるか。効果がないのに、誤解のうえで利用される恐れはないか。

 だいたい、このようなものでしょうか。5にいては理論とは関係ないのですが、科学の意義(生活を良くしていく)を満たしているかどうかということです。

 話が長くなったので、次から各問題に入っていきます。